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ザク、と雪を踏み固める音だけが、あたしたちの間に響く。
緋絽は基本的に重要なことでもないと口を開かない。
だからいつもは、必然的にあたしがペラペラしゃべることになるんだけど……。
「あのさ」
今日は違った。
緋絽から、会話を切り出してきた。
「な、何?」
どきり、一瞬心臓を握りつぶされたかのように苦しくなって、思わず服の上から心臓の辺りを押さえつけてしまった。
「ん……と。こないだの話、覚えてる?」
「え……?」
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