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口元にこぶしを当て、困ったように視線を彷徨わせる緋絽。
その耳は、頬は、心なしか赤い。
赤いのは寒さのせいだよね?と口に出来ない問いを繰り返す。
ドク、ドクと心臓が嫌な音を立てる。
「だからさ……、その、協力?してくれるんだよな?」
「へ?」
突然の“協力”という単語に、一瞬思考が停止する。
協力?何のこと?
頭にクエスチョンマークが浮かんでいるあたしの記憶力に呆れてか、緋絽は白く色づいたため息をついた。
「だから、協力してくれるんだろ?俺の恋愛が成就するように」
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