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見えない鈍器で5発くらい殴られたんじゃないかと思う。
それくらいのダメージを負いながら、あたしは大学に向かった。
講義のある校舎を目指して、構内をトボトボ歩いていると。
「おーはよ!」
どーん、と体当たりされ、危うくコケかけた。
振り返れば同じ学部学科の友人、本郷 菜乃香(ホンゴウ ナノカ)が色素の薄い長い髪を寒風に揺らしながら立っていた。
菜乃香は唯一、あたしが緋絽を好きでいることを明かした子だ。
「あ、…。グッモーニン……」
「うっわ、どしたの?その顔!」
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