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「‥‥あ、はい」
あっけにとられていた高梨光恵は、多少の期待外れ感を滲ませて、曲がってもいない自分のメガネに触れて、メガネを掛け直す仕草をした。
ポッドの扉は誰も操作していないのに、自動ですぐに閉まり、またブラックアウト状態になった。
「見た通り、もうこのタイムマシンは使えない。未来の私が乗り込んだ時まで。だから安定電源の確保ができたポッドをもっと複数作らなくては、タイムマシンは動かすこともできない」
なんということだろう。
若き日の悦がずっと不思議に思っていた未来人を、ついに悦は、まさに意表をついて、出迎えたわけだが、それは結局、悦自身であったという落ちだったのだ。
未来の悦がいうには、自分が未来に戻るポッドが、少なくとも後一つは必要だし、また他に未来へとタイムスリップしたりするのであれば、更に数が必要だと説明した。
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