第1章

7/40
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
   そんなことを考えていたら、お客さんの奥さんが店にやってきた。 「綺麗な人だな……」  思わず、そう呟いていた。外見の綺麗さもそうだけど、大人の女性としての余裕というか、色気みたいのが滲み出てる。  お客さんの部下の人は、こんな人を相手にこの人を取ろうとしたのか。  取ろうとしたか分からないし、奥さんがどんな人か知っていたのかも分からない。だけど直感的に、私だったらこの奥さんには敵わないって思った。  接客する中で、お客さんから奥さんを紹介された。 「うちの主人が、お世話になってます」  勿論、部下の人の話しはしてなくて、お客さんの来店は今日で二回目。色々な事が頭の中を駆け巡る中、私は「どうも……」としか言えなかった。  この奥さんは、凄い人かも。  旦那さんから、例え行きつけの食堂とか、美容室の女性店員の人を紹介されたとする。でも、いい気分はしないと思う。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!