第1章

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   好きになったのは部下の人。  お客さんにしてみたら、誠意を持って対応をした。  全てが上手くは行かないのは、状況からして分かってた事。だけど、部下の人の気持ちを思うと、可哀想って思ってしまう自分がいた。  叶わぬ恋に落ちた時、人はどんな選択をすべきなのか。  お客さんの部下の人は、その気持ちを素直に伝えた。それでその想いが伝わらないと知ると、相手の元を去る選択をした。  朱理さんは、望月さんに恋心を抱いてる。  だけどその気持ちを、今のところは伝えるつもりはない。ずっと側にいる事で、自分の気持ちを満たしている。  朱理さんは、そう言ってたけど。  本当に気持ちが満たされてるのか、それは私には分からない。だけど、お客さんの部下の人のような結果を予測し、それを避ける為に気持ちを伝えない。  そうなんじゃないかと思ったりした。  今、朱理さんは幸せなのかな。
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