第1章

8/40
前へ
/40ページ
次へ
   だけど、私を紹介された奥さんは、まったく動じたりしなかった。  旦那さんを、心から信じているのかもしれない。それか、私みたいな小娘、相手にしていないのかもしれない。  この人が、あの事を知ったらどう思うんだろう。  案外、それでも動じないかも。  お客さんは、不倫するつもりは無いようだけど。不倫がバレた夫婦の、修羅場とか考えると怖いものがある。  この夫婦には、そんな波風すら立たなかったけど。  それが最良の結果だったと思うし、そのまま波風が立たないで欲しいと思った。  お客さんの望む、最良の結果では無かったとしても。  お客さんは、部下の人が会社に残る事を望んでた。それは修羅場になる状況を、先延ばしにしただけだったのかも。  やっぱり、不倫は駄目だよ。  家庭ある人が誰かを好きになったり、家庭ある人を好きになった時点で、その先に誰かを泣かす状況がある。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加