第1章
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新は私の弟だ。 でも、私は新に一回も会ったことがない。 新は産まれる前に流産となってしまった。 私がまだ3才の時だった。 私はまだ小さかったから、死ぬってことの意味がよくわからなかった。 でも、お母さんが悲しんでいたのはよくわかった。 お母さんは私の前ではいつも明るく振る舞っていた。 それでも私は知っていた。 お母さんが毎日毎日夜遅くに泣いていることを。
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