当たり前な日常

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朝、六時五十分。 今日も私は、彼の部屋へ忍び込む。 そっとドアを開けると、太陽の朝陽がカーテンの隙間から差し込んでおり、部屋中が明るい。 まるで忍者のように音を立てずに歩き、彼が眠るベッドまで近づく。 「……慶太?」 規則正しい寝息は聞こえてくるものの、もしかしたら狸寝入りしているのかもしれない。 でも名前を呼んでも慶太は起きる気配を見せず。 「ふふふ……今日はどうやら私の勝ちのようね!」 勝利確定が見えてきて、つい笑ってしまうと突然「ブハッ」と吹き出す声が聞こえてきた。 「え……嘘!」 「バーカ!今日も俺の勝ちだから」 笑いを堪えながら布団をまくり顔を見せたのは、ばっちり目の覚めている慶太だった。 「信じられない!絶対寝ていると思ったのに~!」 勝利目前で敗れてしまい、がっくり項垂れてしまう。 そんな私を見て、慶太は勝ち誇った顔を見せた。 「今日も朝の鞄持ち、よろしくな?」 「……くっ!」 返す言葉が見つからない。 朝から甲高い笑い声を上げる慶太を恨めしそうに睨むことしか出来ずにいた。
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