当たり前な日常

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慶太がどんな気持ちで、どんな想いで今までこの家で生活してきたのかなんて、私には分からない。 だけど、これだけは言える。 慶太は私にとって特別な存在なんだって――……。 「……なに見てんだよ、気持ち悪い。どんなに見たって鞄持ち、代わってやらねぇからな」 「気持ち悪いって酷くない!?それに、別に代わって欲しいなんてこれっぽっちも思っていないから!」 幼なじみで、一緒に暮らしていて。同じ高校。隣のクラス。 共通点ばかりな私達。 「あ~あ、なんで最近になって慶太、朝強くなったのかな。昔は全然起きれなかったのに」 高校までは歩いて二十分の距離。 毎朝こうやって慶太と二十分の距離を並んで登校している。 「別に理由なんてねぇけど……しいて言えば負けっぱなしは性に合わないから、かな?」 そう言って勝ち誇った顔で私を見下ろす慶太。 昔は全然身長は変わらなかったのに、今では二十センチもの差がある。 高校に入ると急激に身長が伸びて、身体もいつの間にかすっかり男子になっちゃっている。声も昔とは全然違うし。 「……負けず嫌いめ」 「ご名答」
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