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何だかんだと話しているうちに渡邊の家に着いた。今回のメンバーの中で一番酔っているのはこの人だと確信を持った佐伯は中まで連れて行く事にした 「ほら、着きましたよ。歩けますか?何か飲みますか?」 「んぅ~……氷が入った水」 「分かりました。ではキッチン借りしますね」 渡邊をソファーに寝かせてキッチンへと向かい、グラスに氷とミネラルウォーターを注ぎリビングに戻った 「持ってきましたけど、起きれますか?」 「……慣れてるんだな」 「えぇ、昔…母の介抱をしてましたから」 「昔って…今は?」 「今はいません。……先月亡くなりましたから」 「悪かった」 「いえ、平気です。……今更ですが、渡邊さん…何故僕は押し倒されているんですか?」 さっきまで渡邊が寝ていたソファーに佐伯が寝かされ、渡邊が覆いかぶさっている 佐伯としては不思議+悪ふざけでしかないのだが 「何故って、キスしたくなったからだけど」 「相当酔ってますね。いいから退い……っ…」 有言実行とはこの事だろう。本当にキスされてしまった。佐伯は渡邊を押し退け顔を紅く染めながら家を出た。残された渡邊はブツブツ呟きながらミネラルウォーターを飲み干し寝室へと消えた
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