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「お祖父様、お久しぶりです。お元気でしたか?」
『おぉ、透。元気も元気じゃ。透の手紙を見たら居ても立ってもおれんかったわぃ。それで、例の奴は何処におるんかのぅ』
何故跡部会社全員で旅行に行っていた社長を迎えに来たのに佐伯が親しそうに話しているのか――皆が疑問に思っていると、気になる単語を聞いてしまった。――【お祖父様】――?
『え~?!佐伯副社長が社長のお孫さん?』
『何じゃ、言うてなかったのか?相変わらず抜けとる奴じゃ』
「お祖父様は相変わらず失礼ですね。言う必要がなかったので言ってません」
『ほぅ……いい度胸じゃ、気に入った。ところで彼は?』
「あぁ。彼は今、会社にいます。例の商談の事は言いましたよね?その相手の副社長をしています」
『よしっ!連れて行け。礼を言わねばならぬ』
「そう言うと思ってタクシーの手配をしておきました。くれぐれも無理はなさらないように」
『分かっておる。それより透、わしの秘書にならぬか?お前ならいつでも歓迎するぞ?』
「丁重にお断りいたします」
目の前で繰り広げられる光景に皆が眼を疑った。笑顔で会話している二人の間には火花が散っていた
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