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「奥さん、DVは治りませんからね。」
利佳子の顔をまじまじと見た刑事さんが言った。
え…?DV…なんだ。
ヒリヒリと痛い眉間をそっと触れながら、刑事さんの口から出た
『DV』という言葉を頭の中で繰り返した。
「被害届は出されますか?」
「あ・・・、いえ出さなくていい…です…」
(そんなことしたらどうなるか・・・)
消え入るような声で答えた。
眉間に皺を寄せてみた。
眉間から鼻にかけて違和感がある。
腫れてるんだ・・・
眉間を人差し指で触れる。
つっ・・・痛・・・
薄っすらと血が人差し指に付いた。
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