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古語によく使われる言葉に
『玉の緒』
(たまのを)があります。
魂をつなぎ止める緒という意味です。
恋の歌に使われていたようです。
相手の気持ちとか、自分の思いをつなぎ止める緒のように。
恋歌が多い百人一首の中に
『玉の緒よ
絶えなば 絶えぬ
ながらへば
忍ぶることの
弱りもぞする』
我が命よ
絶えるものならば
絶えてしまっておくれ
もしこのまま生きながらえていると、
胸の内に秘めて
堪え忍んでいる
あなたへの思いが
心が弱くなって
外に現れてしまうだろうから。
(式子内親王・平安時代末期の後白河天皇の三女)
藤原定家と恋していたようで、
定家の父が自宅で、
自筆の手紙を見つけたという。
式子内親王(しょくしないしんのう)は父
後白河天皇が当時の政変で、
何度か幽閉されていて、その関係か
彼女も15年以上山深い
一軒家に幽閉されていたという。
京都で亡くなったとか
、お墓が大分にあって
観光地になっていると
か僕には詳しくは分かりません。
皇女でありながら、寂しい人生を歩んだ彼女に興味を持った一人です。
新古今和歌集に
『山深み
春とも知らぬ
松の戸に
絶え絶え かかる
雪の玉水』
山が深いので、松で作った粗末な戸に
雪解け水が玉のように
戸にかかっている。
春が来たのだろうか。
かえって山深過ぎて、
春の訪れさえ分からない。
という寂しい歌がありました。
そんな、生活に恋しい人への思いだけで
絶えていたのでしょうか。
彼女の切ない人生を垣間見ると
僕達はなんと幸せなん
だろうと感じてなりま
せん。
横浜の三渓園に古い茶室や民家、山小屋が保存されていましたが、
あのような小屋で生涯を過ごしていたのかと
想像すると、胸が熱くなってきました。
僕が言いたいのは
不平不満や辛い事が
あっても、
彼女の事を
思いだして、
勇気を持ちましょうと
言いたいのです。
春の訪れが分かるだけ
でも幸せなんだから。
雪解け水だけで春を知るよりいいと。
感謝しましょう。
合掌
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