石油王の花嫁

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ー京介が所属する会社、社長室ー 社長が席についてタレント達の資料を見ていたその時、ドアのノック音がした。 『どうぞ』 社長は資料を見ながら返事をした。 ドアを開き中に入った真弘は『遅れてすみません』と言ってドアを閉めた。 資料を机の中に入れると社長は席を立ち『京介と一緒じゃないの?』と言って社長はソファーに座った。 『京介は家に置いてきました』 真弘はソファーに近づき向き合って座った。 『それで話があるって何かしら』 『車の中で京介が話してくれました、アランに乱暴されたって』 『本当なの…』 しずる社長は驚きながら言った。 『控え室で乱暴されたって…』 真弘は悲しげな顔でうつ向いた。 『悲しそうな顔をしないの』 しずる社長は足を組み煙草を吸い始めた。 『心配なんです、京介がアランを好きになったら…俺は…』 うつ向いたまま真弘は気持ちを口にした。 『アランに京介を取られたくないなら、しっかり京介を掴まえてなさい…何かあったら私に言いなさい』 しずる社長の言葉に勇気を貰った真弘は顔を上げ『社長…ありがとうございます』と言って立ち上がり頭を下げた。 『顔を上げなさい』 『……』 真弘は顔を上げしずる社長を見つめた。 しずる社長は煙草を灰皿に捨てソファーから立ち上がるとジーパンのポケットから薬が入った小さな袋を出し真弘に差し出した。 真弘は袋を受け取り『この薬は?』としずる社長に問いかけた。 『媚薬よ、これを京介に飲ませて忘れさせてあ、げ、て』 しずる社長は真弘の側に行き耳元で囁いた。 真弘は頬を赤らめながら『か…帰りますね…』と言って社長室を出ていった。 『頬を赤らめちゃって可愛いわね…そう思わない、港』 しずる社長は机に目を向けながら言った。 机の下に隠れていた港が現れしずる社長に近づいた。 『俺をここに呼んだのは、兄弟の愛を俺に見せるためか…京介から手をひけってことか』 港は笑みを浮かべながらソファーに座った。 しずる社長は港の隣に座り港を自分の方に向かせると唇を重ねた。 しずる社長は驚く港に覆い被さり『京介のこと忘れさせてあげる』と言って口づけを交わし体を重ねた。
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