石油王の花嫁

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その頃、真弘は家に帰るため車を走らせていた。 ー京介と真弘の家ー 京介はソファーで横になりながらテレビを見ていた。 『夜7時か…腹減ったなぁ…兄貴はまだ帰ってこないし…ラーメンでも作って食べるか』 京介はソファーから立ち上がりキッチンに行った。 『カップか袋か有ったと思うんだけど』 ラーメンを探すため棚の中を調べ始めた京介の腹は何度も鳴っていた。 『ああ…無いなぁ…』 ラーメンを探していたその時、インターホンが鳴った。 『兄貴か』 探していた京介は手を止め玄関に行くとドアを開いた、目の前に居たのは真弘ではなくアランだった。 『あんた…何でここに…』 『お前を迎えに来た』 『何…言って…んん…』 アランに口をハンカチで塞がれた京介は薬の匂いで気を失った。 アランは京介を抱き上げ車に向かうと運転手の人が助手席のドアを開けた。 『ここからは自由時間だ、明日の昼までにホテルに戻れよ』 『はい、お疲れさまでした』 運転手は走ってその場を離れていった。 アランは助手席に京介を乗せシートベルトをしめるとドアを閉めた。 そしてアランは運転席に乗り込みドアを閉めるとシートベルトをしめ車を走らせホテルに向かった。 それから3分後、帰宅した真弘は家の中に入りテレビをつけたまま京介の姿がないのに驚いた。 『京介…』 真弘は携帯を開き電話をかけたその時、家の中で携帯が鳴った。 真弘はまわりを見渡しソファーに目を向け携帯を見つけると自分の携帯を切った。 携帯を拾い上げ『どこに行ったんだ京介』と言って真弘は京介の携帯を握りしめた。 ー宿泊のホテルの部屋ー アランに気を失わされた京介はベットで仰向けで眠っていた。 それからしばらくして目を覚ました京介は体を起こしベットから下りた。 『ここはどこだ』 京介は誰もいない部屋を見渡した。 その時、出掛けていたアランが袋を持って戻ってきた。 『目が覚めたか』 『兄貴が心配するから帰らせてもらう』 京介はアランの側を通りドアに向かった。 アランは袋を床に置き京介に近づくと腕を掴んだ。 『手を離せ』 『……』 アランは京介の腕を掴んだまま寝室に連れていきベットの上に倒した。
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