石油王の花嫁

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その頃、アランはバスローブ姿で窓際に立ち煙草を吸いながら夜景を眺めていた。 『アラン様、京介さんが空港に来ると信じているのですか』 『…ミナ…いつ来たんだ』 夜景を眺めていたアランは支配人のミナに目を向け近づくとソファーに座り灰皿に煙草を捨てた。 『アラン様が京介さんに空港で待ってると言ってた時からですかね』 『隠れてみてたのか』 『実はアラン様と京介さんが抱き合ってる時から居ました…クローゼットに隠れてました…申し訳ございません』 ミナはアランに頭を下げた。 『別に怒ってないから謝るなよ』 『……』 ミナは顔を上げた。 『お前はどう思う、来ると思うか』 アランはミナに問いかけた。 しばらく黙っていたミナは『京介さんの心はアラン様に向いています、京介さんを見ればわかります、だから心配されなくても京介さんは空港に来ます』と言った。 アランは笑みを浮かべミナに『ありがとう』と言った。 『隣の部屋に居ますから何かあったら言ってください、明日、10時30分に起こしに来ます…お休みなさい』 アランに頭を下げるとミナは部屋を出ていき隣の部屋に入っていった。 『…京介…』 ソファーに座ったままアランは天井を見つめた。 ー寝室のベットー 真弘は京介に背を向けたままベットに座り悩み込んでいた。 『俺は何てことを…京介を悲しませるつもりはなかった』 『……』 目を覚ました京介は体を起こし真弘の背中を見つめた。 悩み苦しむ真弘の背中に京介は手を伸ばし背中に触れた。 真弘は振り向き『京介、ごめん』と言って涙を流した。 京介は真弘を抱き締め『兄貴、俺はどこにも行かない、兄貴の側にいる』と言って真弘の顔を見つめ口づけを交わした。 唇が離れ京介は『抱いて…』と言って真弘を誘った。 真弘は京介の肌にキスをするとそのまま体を重ねた。 『兄貴』 京介は真弘の愛撫に乱れながら喘ぎ声を出した。 『京介』 『兄貴』 真弘と京介は愛撫に気持ちよくなり倒れた。 それからしばらくして京介は真弘に寄り添いながら『明日、空港に行ってアランに一緒には行けないって言うよ』と言った。 『京介』 真弘は京介に顔を上げさせると唇にキスをした。
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