石油王の花嫁

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その後、京介は真弘の体を支えながら寝室に連れていきベットに仰向けで真弘を寝せた。 『京介』 『全裸のままじゃ風邪を引くから』 京介はタンスの中から服とズボンを取りだしその服とズボンを真弘に着せた。 『ありがとう』 『今日はゆっくり休め、社長のところには俺1人で行くから』 『1人で大丈夫か』 『大丈夫だよ、帰りに体力がつくもの買って帰るよ…じゃあ行ってきます』 京介は真弘の唇にキスをすると出掛けていった。 真弘は京介が帰ってくるまで眠りについた。 その頃、しずるは港が連れてきたミナと会っていた。 『国に帰ったんじゃなかったんですか』 しずるはソファーに座った。 『京介さんのことで話がありまして、私だけ残りました』 ミナは向かい合ってソファーに座った。 『港は話が終わるまで隣の部屋に…』 『私は港さんに話を聞かれても構いませんよ』 ミナが答えると港は机の上に座った。 『京介のことで話があるって何ですか?』 しずるはミナに問いかけた。 『……』 しばらく黙っていたミナは口を開いた。 『京介さんに一緒に行けないと言われたとき一瞬、悲しい顔をされました、それを見て私は決心しました、京介さんをアラン様の元に連れていこうと…2人にお願いがあります、京介さんにアラン様の元に行くようにしてください…お願いします』 ミナはソファーから立ち上がり土下座をした。 『そんなことをされても困ります、それに私には真弘と京介を引き離すことは出来ません、申し訳ありませんが私は真弘を裏切ることは出来ません』 しずるはソファーから立ち上がり机に近づくと椅子に座り仕事を始めた。 無言のままミナは立ち上がりドアの方に向いたその時、ドアが開き社長室に入る京介の姿をしずると港とミナは見た。 ミナに目を向けた京介は『あなたはアランの、国に帰ったんじゃないんですか?』と言った。 『ちょうど良かった、京介さんに話があります』 『何ですか?』 『京介さん…』 『俺、京介に相談があるんだ』 ミナの言葉を邪魔した港は机から下り京介に近づくと腕を掴み社長室から連れ出した。 『どうしたんですか?…港先輩…』 『……』 港は京介の腕を掴んだまま廊下を歩き誰も入らない部屋に入った。
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