石油王の花嫁

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その頃、京介はスーパーで買い物をしていた。 『何が良いかな…』 京介はいろんな食材を見ながらうろうろした。 『京介さん』 『……』 背後から声をかけられた京介は振り返り目の前に立っているミナに驚いた。 『あなたは…』 『話があります、静かな場所で話しませんか』 『話ってアランのことでしょ、話すことはありません』 京介はミナから離れスーパーを出て行った。 ミナは京介を追いかけ『待ってください』と言って京介の腕を掴み足を止めた。 『離してください、俺は兄貴が好きなんですだからアランの妻にはなれません』 『…アラン様は本気であなたに恋をしてます、あなたに一緒に行けないと言われたときのアラン様の悲しい顔を見ると私は…悲しくなります、アラン様には幸せになってもらいたい…私の願いです』 『……』 『明日、私は国に帰ります…』 ミナは京介から手を離しポケットから紙を取りだし差し出した。 紙を受け取った京介は折られた紙を広げミナを見た。 『アラン様がいる場所です』 頭を下げるとミナは歩いていった。 『……』 紙を折りまげると京介はその紙をズボンのポケットに入れコンビニに寄ると弁当を買って家に向かった。 コンビニから歩いて20分後、家についた京介はドアを開き『ただいま』と言って靴を脱ぎ上がると寝室に行った。 『ただいま、兄貴』 京介はベットに近づきベットに座った。 『お帰り』 真弘は体を起こし背中に枕をあてると上半身を起こした。 『具合はどうだ、まだふらつくか』 『栄養ドリンクを飲んだから、大丈夫』 『文句を言うなよ』 京介は袋の中から弁当を出し真弘に渡した。 『これを2人で食べないか、もう1個は晩飯な』 『良いのか』 『そんなに食べれないし』 真弘と京介は割り箸を掴み仲良く真弘の方の弁当を食べ始めた。 『喉かわくよな、お茶を持ってくるよ』 京介はズボンのポケットから携帯を取り出し机に置くと寝室を出て行った。 真弘は床に落ちている折りまげられた紙に築き拾い上げると紙を広げた。 『アラン様がいる場所です…』 真弘は紙に書かれた地図を見て心配になった、京介が遠くに行くのではないかと。
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