石油王の花嫁

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『社長…俺…本当は…』 『わかってるから言わなくていいわよ』 しずるは真弘の手に触れながら優しく微笑んだ。 その姿を見て真弘はしずるの唇にキスをし顔を見つめた。 突然の真弘の口づけにしずるは頬を赤らめ椅子から立ち上がり店を出て行った。 真弘は珈琲代を支払い店を出るとしずるに駆け寄り腕を掴み足を止めた。 『待ってください社長』 『離して…』 『今日だけでいい、俺の側に居てくれませんか?』 『私には港が…』 『……』 真弘はしずるの腕を掴んだまま近くのホテルに連れていった。 そして真弘としずるは部屋のベットで体を重ねた。 翌日、京介はミナと共に飛行機でアランがいるアラブの国に向かった。 その頃、アランは家のベランダで椅子に座って空を眺めていた。 『京介…』 『アラン様』 『何だ』 アランは空を眺めながら声をかけてきた世話係の男に返事をした。 『ミナさんが戻られました』 『ミナが』 アランは世話係の男に顔を向けた。 『ミナさんがリビングに来てくれと』 『わかった、すぐ行く』 『失礼します』 世話係の男はアランに頭を下げその場から離れていった。 椅子から立ち上がりベランダを出たアランは階段を下りリビングに行った。 そしてアランは部屋のドアを開き中に入るとソファーに座っている京介に驚き足を止めた。 アランに築いた京介はソファーから立ち上がりアランに近づいた。 『兄貴とは別れた…兄貴に言われたんだ、お前は俺に抱かれながらアランを思ってるって…その通りみたいだ…俺、アランが好きだ』 気持ちを告白した京介は涙を流した。 その姿を見てアランは無言のまま京介を抱き締めた。 『驚いたよ、京介は来ないと言っていたから俺はふられたんだと』 『お前に初めて体を奪われたときから俺はお前を好きだったのかも』 京介はアランの顔を見つめた。 アランは手を伸ばし京介の涙を拭うと口づけを交わした。 そんな2人の姿をソファーに座って見ていたミナは2人に築かれないようにリビングを出て行った。 そこへ世話係の男が『ミナさん』と言ってミナに近づいてきた。
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