石油王の花嫁

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『アランが心配するといけないから送りましょう』 『すみません』 大きな石から立ち上がった京介はふらつきカールに向かって倒れた。 カールは京介の体を支えながら『大丈夫ですか』と言った。 『す、すみません…』 京介は慌ててカールから離れた。 『妹をふってまで君に夢中になるのがわかるよ』 目付きが変わったカールは京介の腕を掴んだ。 『あの…手を…』 『俺も良いだろ』 カールは京介を押し倒し白のチャイナドレスを引き裂くと抵抗する京介を乱暴した。 『嫌だ…』 京介は涙を流しながらカールに襲われた。 それから30分後、京介は1人で森の中を歩き家に帰った。 ーアランの家の門の前ー 『どうしたんですか』 ミナは京介に駆け寄り乱れた姿を見て驚いた。 『……』 『服を着替えないと』 ミナは黙ったままうつ向く京介の体を支えながら家の中に連れていった。 そこへ心配していたアランが駆け寄ってきた。 『京介…どうしたんだその格好…』 『…俺…』 アランと目があった京介はアランを突き飛ばしその場から離れ寝室に行った。 そして京介はベットに倒れ涙を流した。 『京介…』 寝室の中に入ったアランはドアを閉め京介に近づいた。 京介は体を起こし手で涙を拭いアランを見つめた。 『森の中で乱暴される前に男が言ってた、妹をふってまで俺に夢中になるアランの気持ちがわかるって』 『妹…』 アランは誰が京介を襲ったのかわかり怒りを感じた。 『こんなんじゃアランの妻にはなれないよな』 『……』 再び涙を流す京介を見てアランは何も言わず優しく抱き締めた。 『京介、嫌な出来事は俺が忘れさせてやる』 アランは京介の唇にキスをし体を重ねた。 それからしばらくして京介はアランに寄り添い眠りについた。 『京介…』 京介の頭を撫でるとアランは京介を起こさないようにベットから下り掛け布団を京介の体にかけると寝室を出て行った。 アランは応接室に行き『今から出掛けてくるから京介を頼む』とミナに言ってアランは馬でカールの家に向かった。 ーカールの家、カールの部屋ー 『あの人に何もしてないよね』 『何もしてないよ』 カールはベットに仰向けで寝転んだ。 『本当でしょうね、アランさんに迷惑かけないでよ』 『アランにふられたのにまだ思ってるのか』 『今もアランさんのこと好きよ、悪い…私はお兄ちゃんとは違うの、好きな人にふられて好きな人の恋人を横取りするようなお兄ちゃんとはね』 ルカはカールの部屋を出て行った。
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