石油王の花嫁

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『絶対嘘よね…』 小声で言いながら廊下を歩いていたルカは玄関でアランに会った。 『アランさん、何かご用ですか』 『……』 アランはルカの問いかけに答えないままカールの名を叫んだ。 『カール出てこい…カール…』 『お兄ちゃんと何か有ったんですか』 『カール、出てこい…』 アランは玄関でカールの名を叫び続けた。 それから2分後、部屋からカールが現れるとアランはカールに近づき頬を殴った。 カールは殴られた口元を手で血が出てないか確認しながら『いきなり殴るなんて…』と言った。 『お兄ちゃん、大丈夫?』 ルカはカールに近づき口元を見た。 『大丈夫だ』 『いきなり殴るなんて酷いじゃないですか』 ルカはアランを見ながら言った。 『殴られても仕方がないことをしたんだ、言ってることわかるよな』 『本人から聞いたのか、俺に乱暴されたって』 カールが口にした言葉にルカは驚いた。 『アランさんを困らせるようなことはしてないって言ったじゃない…お兄ちゃんの嘘つき…』 ルカは涙を流しながら走ってその場を離れ部屋に行った。 『お前との友情も終わりだ』 アランはその場から離れ馬で家に帰っていった。 その頃、京介はミナの付き添いで浴室でシャワーを浴びその後は寝室で新しい白のチャイナドレスに着替えた。 『アランは?』 『アラン様は用事で出掛けています、もうすぐ帰られると思いますよ』 『そうですか』 京介はベットの上に座り悲しい顔をした。 ミナは京介の側に座り手を優しく握ると『心配しなくてもアラン様は京介さんを嫌いになんかなりません、アラン様は信じて』と言ってミナは優しく微笑んだ。 『ありがとう、ミナさん』 京介は笑みを浮かべた。 『一緒にサンドウィッチでも作って食べませんか?』 『はい』 返事をした京介はベットから下りミナと共に寝室を出てキッチンに行った。 ーキッチンー 『何のサンドウィッチを作りましょうか』 ミナは冷蔵庫の中を見ながら京介に問いかけた。 京介はミナの側に寄り冷蔵庫の中を見ながら『ハムとレタスとトマトのサンドウィッチにしませんか』と京介は冷蔵庫の中から品物を取り出しながら言った。
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