石油王の花嫁

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『俺達が出席して大丈夫なのか、アランの親御さんが嫌がるんじゃないのか』 『アランが言ったんだ兄貴に祝ってもらいたいって』 京介は真弘の手に触れながら優しく微笑んだ。 『わかった出席するよ…俺もお前に話があるんだ』 『何だよ』 『俺…結婚したんだ』 真弘は左手を出し薬指にはめている指輪を京介に見せた。 『え!…相手はもしかして…』 京介はしずるに目を向けた。 しずるは黙って左手の薬指にはめている指輪を京介に見せた。 『港先輩と付き合ってたんじゃないのか』 『港とは真弘と関係になったすぐに別れたわ…』 しずるはどうやって真弘と付き合い結婚したのかを京介に話した。 京介はしずるの話を聞きながら『ちょっと良いかな、気になってたんだけど港先輩の姿がないよね…』としずるに言った。 その時、しずるが黙りこんだ。 『どうしたんですか?』 『……』 しずるはソファーから立ち上がり机に近づくと椅子に座り仕事を始めた。 京介は真弘に目を向け『急にどうしたんだ』と真弘に言った。 『俺としずるの仲を知って港はモデルの仕事を辞めたんだ』 『港先輩、辞めたんだ…人気があったのに残念だな』 京介は真弘としずるの顔を交互に見た。 『すぐに帰らないなら家に来いよ』 真弘は話を変えた。 『アランもゆっくりしてこいって言ってたから家に行くよ』 『仕事も終わったから一緒に帰ろう』 『それじゃあ、結婚式に来てくださいね』 京介は真弘と共に社長室を出て駐車所に止めてある真弘の車に行った。 その頃、しずるは見ていた資料を机に置きため息をついた。 真弘は車の運転をしながら助手席に座っている京介に話しかけた。 『いつ結婚式を挙げるんだ』 『まだ決まってない』 『まだ決まってないって何で?、アランの両親とうまくいってないのか』 『…うまくやってるよ…』 その後、京介は家に着くまで口を閉ざした。 それからしばらくして車は2人が暮らしていた家の前に着き車を駐車所に止めた。 京介と真弘は車を下り家の中に入った。 『散らかってると思ったけど片付いてるな』 『しずるが片付けてくれてるからな』 『社長、綺麗好きだもんなぁ…』 京介は寝室に行きベットにうつ伏せて倒れた。
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