石油王の花嫁

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『何か悩みがあるんじゃないのか』 真弘はベットに近づきうつ伏せで倒れている京介に話しかけた。 『……』 『アランの両親に結婚を反対されてるんじゃないのか』 『……』 京介は体を起こし床に両足をつけベットに座った。 真弘は黙って京介の隣に座った。 『アランのお母さんは反対していない見たいけどお父さんの方が…』 『認めてくれないのか』 『……』 京介は頷いた。 悲しい顔をしている京介を見て真弘が『アランを呼んで結婚式を挙げろ…俺としずるがお前達の結婚を祝ってやる』と言った。 『兄貴…ありがとう…』 京介は嬉し涙を流した。 その後、京介は家の電話でアランの携帯にかけた。 それから3分後、アランが電話に出た。 京介はアランに白のチャイナドレスを持って家に来てと伝え電話を切った。 アランは白のチャイナドレスが入った袋を持って飛行機で日本に向かった。 ー真弘と京介の家ー 真弘と京介はリビングのソファーに座って話をしていた。 『アランが来たらすぐに結婚式を挙げよう…しずるを呼んどいたほうが良いな』 真弘は家の電話の受話器を取りしずるの携帯にかけた。 4回目のコールでしずるが電話に出ると真弘が『仕事が終わったら家に来てくれないか』と言った。 『私が行って良いの…せっかく兄弟で過ごせるのに』 『アランが来たら家で結婚式を挙げるんだ、だから家に来てほしいんだ』 『…わかった、仕事が終わったら家に行く』 真弘は受話器を置き『今から指輪を買いに行かないか』と京介に言った。 『指輪なんて良いよ』 『指輪は夫婦の証だ、買いに行くぞ』 真弘は京介の腕を掴み家を出ると車で宝石店に向かった。 車を走らせ20分後、宝石店に着いた真弘と京介は車を下り店の中に入っていった。 『言っとくけどお金ないからな』 『俺が買ってやるから、アランとお前の指輪を選べ』 『……』 京介はたくさん並んでいる指輪に目を向けた。 『あれが良いな』 『どれだ』 『あれだよ、ハートの形の』 京介はシルバーのハートの形の指輪に指をさした。 『いらっしゃいませ』 店員が真弘と京介に近づいた。 真弘は店員にハートの形の指輪を見せてくれと言って店員はハートの形の指輪を持ってきて目の前に置いた。
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