石油王の花嫁

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『間近で見ると良いな、はめても良いですか?』 『良いですよ』 京介の問いに店員は笑顔で答え指輪を京介に差し出した。 京介は指輪をはめ真弘に見せた。 『どうかな?』 『俺は良いと思うよ』 『じゃあ、この指輪を2個ください』 京介は指輪をはずし店員に差し出した。 指輪を受け取った店員は『この指輪を2個ですね、少しお待ちください』と言って店員は離れていった。 『後は支払いだけだから車で待ってて良いぞ』 『わかった』 京介は真弘から車のキーを受けとり店を出ていくと車に近づき助手席に乗り込んだ。 その頃、真弘は指輪のお金を店員に支払っていた。 『こちらがお買い上げされた指輪に間違いありませんでしょうか』 店員は箱に入っている2個の指輪を真弘に見せた。 『はい』 真弘は頷いた。 真弘の確認をとると店員は2個の指輪が入った箱を袋に入れ『お待たせしました』と言って袋を真弘に差し出し、その袋を真弘が受けとると店員は『ありがとうございました』と言って店を出ていく真弘に頭を下げた。 真弘は袋を持って車に近づくと運転席に乗り込んだ。 『ほら、俺からの祝いのプレゼントだ』 真弘は袋を差し出し京介は袋を受け取った。 『ありがとう』『辛いこともあるかもしれないけど、アランと幸せになれよ』 『うん』 京介は涙を流した。 『泣くな…』 真弘は京介の頭を優しく撫でた。 『ごめん…大丈夫だから家に帰ろう』 京介は手で涙を拭い真弘を見た。 真弘は車を走らせ家に向かった。 その頃、家の前ではしずるが真弘達の帰宅を待っていた。 『何処に行ってんのかしら、携帯にかけてみようかな』 しずるは鞄の中から携帯を取りだし真弘にかけようとしたその時、車が駐車所に止まり真弘と京介が車の中から出てきた。 『社長!』 『何処に行ってたのよ』 しずるは近づいてくる真弘と京介に言った。 『早かったな』 真弘は鍵を開けドアを開くと靴を脱ぎ上がった。 『結婚式を挙げるって言うから急いできたのよ』 『すみません…』 『京介に怒ってないから気にしないで』 靴を脱ぎしずるが上がると、京介はドアを閉め靴を脱ぐと上がっていった。
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