石油王の花嫁

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京介は鏡にうつった自分の姿に頬を赤らめ慌ててズボンをはきチャックを上げた。 『……』 京介は眠っているアランに近づき隣に座るとなぜか気になるアランの顔をじっと見つめた。 『好みの顔か』 気配を感じたアランは目を覚まし体を起こした。 『嫌いな顔だよ』 頬を赤らめながら顔をそらす京介を見てアランは京介の顔を掴み自分に向かせると唇を重ねた。 唇が離れアランは抵抗しない京介を見た。 『……』 『抵抗しないんだな、もしかして俺に惚れたか』 『冗談じゃない、何で俺が…』 慌てて顔をそらす京介の顔は頬を赤らめていた。 その時、京介を呼びに来たスタッフがドア越しで『京介さん、撮影の準備が出来ました』と言った。 『わかりました、今行きます』 スタッフに返事をすると京介はアランに声をかけず控え室を出ていった。 アランは京介の演技を見に行こうと控え室を出たその時、真弘と会った。 『何でお前がここに』 『京介ならいないぞ、撮影に向かったからな』 アランはドアを閉め廊下を歩いていった、真弘はアランを追いかけ腕を掴むと誰も使っていない部屋に連れていった。 『いきなり何をする、手を離せ』 アランは真弘の手を振り払った。 『あの部屋は京介の控え室だろ、何をしてたんだ』 真弘の問いにアランは笑みを浮かべすぐに口を開いた。 『体を重ねた、京介の体は良かった、妻に欲しいと思ったよ』 『貴様…』 怒りに満ちた真弘はアランの顔を殴り倒すと体にまたがり再び顔を殴った。 アランは殴る真弘の手首を掴み何も言わず掴んでいる手に力を込めた。 『うああ…』 痛がる真弘はアランから離れアランは掴んでる手を離し立ち上がった。 真弘は立ち上がり『京介に手を出すな、俺の大事な弟だ』とアランに言った。 『必ず京介を俺の妻に迎える、どんな手を使っても』 アランは部屋を出ていき真弘はアランを睨んだ。 その頃、京介はドラマの撮影をしていた。 ベットで女性の共演者と体を重ねる演技をしていた京介は控え室でアランに抱かれた事を思いだし演技が止まった。 『どうしたんだ』 スタッフ達や監督が呆然となった。 そこへアランが現れ京介に目を向けた。
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