石油王の花嫁

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『どうしたんだ、京介君』 『え…あ…すみません…』 監督に声をかけられ京介は女性の共演者から離れベットから下りた。 『何か悩みごとですか?』 『…みのりちゃん…』 悩みを打ち明けようとした京介はアランを見つけ目を向けた。 『監督、休憩をとります』 京介は駆け足でアランに近づいた。 『誰だ?』 『新しい恋人だったりして』 監督とみのりは京介とアランを見つめた。 『ちょっと来い』 京介はアランの腕を掴みながら屋上に向かった。 屋上に着いた京介はアランの腕を掴んでいる手を離ししばらく無言になった。 『こんな所に連れてきて何か話があるんじゃないのか』 アランは背を向けている京介に背後から抱きついた。 京介はビクッとなりアランから離れると頬を赤らめながら『いきなり抱きつくな』と言った。 アランは京介に近づき抱き寄せると『どうした頬を赤らめて、俺に惚れたか』と言って京介の唇を奪った。 京介は抵抗せずアランのキスを受け入れた。 その後、唇が離れアランに見つめられ京介は顔をそらした。 『俺はあんたを好きになったりしない、俺には兄貴がいる…だから俺につきまとうな』 京介は屋上から去って行った。 撮影場所に急いで戻ろうと廊下を走っていた京介は探しにやって来た真弘と会った。 『兄貴…』 『撮影場所に行ったらお前の姿がなかったから監督に聞いたら、アランと出ていったって…心配で探しに来たんだ』 『……』 京介は真弘を壁に押しあて唇を重ねた。 唇が離れ真弘は『人が来たらどうするんだ』と京介に言った。 『今は兄貴とキスをしたいんだ…』 京介は再び真弘にキスをした。 真弘は京介を抱き締めながら口づけを受け入れた。 唇が離れると真弘は誰も入ってこない部屋に京介を連れていき再び口づけを交わした。 『京介、後ろを向いて』 『これで良いか』 真弘に背を向け京介は壁に両手をついた。 『ズボンを脱いで』 『……』 京介は真弘の言う通りズボンを下ろした。 その直後、真弘は後ろから京介の体を抱いた。 京介は壁に両手をつきながら喘ぎ声を出した。 『京介…』 真弘は京介の体を支えながら床に仰向けで寝せると体を重ねた。
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