第4話~怪僧・青坊主~

8/20
前へ
/20ページ
次へ
午後4時に、佳子はスーパーカメイの前に行きました。佐藤君と山田君と一緒に待っていると、やがて、月法と日法がやってきました。 「こんにちは!」と、佳子がいうと、 「あれ、君は見たことない子だね」 と、日法がいって、微笑みました。 「私は、佐藤君と山田君の幼なじみの小林佳子です。私も照光寺でおやつを食べたいから、一緒に連れてってくれないかな?」 佳子がたのみこむと、月法と日法は、顔を見合わせました。しばらくの間、ヒソヒソと相談していましたが、やがて月法がいいました。 「それでは、君も一緒に連れてってあげるよ 」 「ありがとう」と佳子が返事をすると、月法と日法は、3人を連れて、照光寺へ向かったのでした。 「やあ、良く来たねえ! 今日は、お友だちも連れてきたんだね! では、さっそく、仏さまを拝もうか!」 月法と日法が連れてきた佳子を見て、和尚さんは、楽しそうにいいました。 そして、月法と日法に境内の掃除をいいつけると、佐藤君と山田君と佳子を連れ、本堂へ行きました。 「このお寺に女の子が来るなんて、何十年ぶりかな? 君、お名前は?」 和尚さんにいわれ、佳子は自分の名を名乗りました。 「そうか、佳子さんね! 佳子さんも仏さまを拝もう! それでは、3人とも、仏さまの前でアグラをかいてね!」 3人は、仏さまの前でアグラをかくと、佐藤君と山田君は、仏さまを見つめはじめました。 「さあ、佳子さんも、佐藤君と山田君と同じように、仏さまを見つめて、頭の中を空っぽにしてごらん!」 佳子はいわれた通り、仏さまを見つめましたが、本気で仏さまを見つめてはいません。佐藤君と山田君の様子を確かめなければいけないからです。それに、仏さまのお顔が怒ったような表情だったので、おかしいと思ったのです。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加