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午後4時に、佳子はスーパーカメイの前に行きました。佐藤君と山田君と一緒に待っていると、やがて、月法と日法がやってきました。
「こんにちは!」と、佳子がいうと、
「あれ、君は見たことない子だね」
と、日法がいって、微笑みました。
「私は、佐藤君と山田君の幼なじみの小林佳子です。私も照光寺でおやつを食べたいから、一緒に連れてってくれないかな?」
佳子がたのみこむと、月法と日法は、顔を見合わせました。しばらくの間、ヒソヒソと相談していましたが、やがて月法がいいました。
「それでは、君も一緒に連れてってあげるよ 」
「ありがとう」と佳子が返事をすると、月法と日法は、3人を連れて、照光寺へ向かったのでした。
「やあ、良く来たねえ! 今日は、お友だちも連れてきたんだね! では、さっそく、仏さまを拝もうか!」
月法と日法が連れてきた佳子を見て、和尚さんは、楽しそうにいいました。
そして、月法と日法に境内の掃除をいいつけると、佐藤君と山田君と佳子を連れ、本堂へ行きました。
「このお寺に女の子が来るなんて、何十年ぶりかな? 君、お名前は?」
和尚さんにいわれ、佳子は自分の名を名乗りました。
「そうか、佳子さんね! 佳子さんも仏さまを拝もう! それでは、3人とも、仏さまの前でアグラをかいてね!」
3人は、仏さまの前でアグラをかくと、佐藤君と山田君は、仏さまを見つめはじめました。
「さあ、佳子さんも、佐藤君と山田君と同じように、仏さまを見つめて、頭の中を空っぽにしてごらん!」
佳子はいわれた通り、仏さまを見つめましたが、本気で仏さまを見つめてはいません。佐藤君と山田君の様子を確かめなければいけないからです。それに、仏さまのお顔が怒ったような表情だったので、おかしいと思ったのです。
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