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それから二、三時間仕事に明け暮れ……ているわけでもなく、ただダラダラと過ごしていた。あれから何を考えて何を選択するのか。私は見届けなければならない。雪乃の選択と、答えを。
そして来た学校前。聖羅さんは先に到着していた。さすがに時間には正確だ。私には出来ない。
「お待たせしました。そろそろ放課後ですね」
そこには不安げな表情で佇んでいる聖羅さんがいた。
「大丈夫ですよ、私も今来たところですから。何と言いますか、不安ですね。娘の英断をこんな早くに見てしまうのも。もしかしたら私を親だとは言ってくれなくなってしまいそうで。……そうしたら私、どうしたらいいんでしょうか」
ふむ。確かにそうだ。しかしこういうのは大抵親へ行くと決まっている。大丈夫だとは思うが……。
「大丈夫だとは思いますよ。私は何もしていません。こんな私のところに来るとは思えませんから」
「……そうでしょうか。あなたみたいな人だからこそ、側にいたくなる。そんな気がします」
……よくわからないな。私のどこを見てそう言っているのか。たまにわからなくなる時がある。聖羅さんに限っての話ではない。真央もそうだ。どうして私の家にいるのか、本当にわからない時が多々ある。
「とにかく行きましょう。英断を見届けに」
そう言って学校に足を運ぶ。チャイムはまだ鳴っていない。しかし考えは英断を見届ける。それだけだった。
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