第1章

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あれから五日ほどの時間が過ぎた。生活は良好。特に問題が起こったこともなく幸せな生活が過ぎていた。 今が幸せならいい、そんなことを考えたことなんてなかった。この先の幸せを考えて過ごしていた私に、今なんてものはなかった。それでも今が楽しいのは、真央のおかげなのだろう。 今日は仕事が早く終わり、午後が丸々と余ってしまった。早すぎる退社のタイムカードを押してぶらぶらと街を歩いていた。 「あー、窓際の気持ちってこんなんなのかなー」 などとおっさんぶったことを述べながらフラフラとしていた。 街などと言っても田舎だ。行くところは限られている。 「……しゃーねぇな、帰るか」 そう呟いて帰路につく。真央が待っている、そう思えば不思議と楽しいものだ。たまには買い物に付き合うのもいいかも知れない。
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