第2章

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突然鳴り響いたチャイム音に、私は体が飛び跳ねた。 一気に鼓動が速くなったのを感じた。 こんなにチャイムに反応したのは今が初めてじゃないか、というぐらい驚いた。 突然チャイムが鳴り響いた事にも驚いたが、そのチャイムの音量がとてつもなく大きかったのも理由の一つだった。 教室にいた何人かの生徒は大きなチャイム音に気づき、机から起き上がる。 そして、私も全く同じ反応をしていただろう。 表情には、驚きと困惑が入り混じっていた。 「え…?」 「なにここ。どこ…?」 「…優希…?」 後ろの方の席から名前を呼ばれて慌てて振り向くと、怪訝そうな顔をした、鈴がいた。 (鈴も、いたんだ…) そう思って声をかけようとした。 “おはようございます” だが、突然スピーカーから声がした。 『…、?…』 私は、訳が分からずスピーカーの方を見た。 “生徒の皆さん。楽しい修学旅行の始まりです。修学旅行の7日間、消えた生徒を探して頂きます。なお、こちらの指示に従って行動してください。” 女の人の機械的な声が耳から離れなかった。
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