第1章

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しばらく私達3人は、無言だった。 なんて言えばいいか、分からなかったから。 そんな時だった。 「ねぇ!田上さん!」 呼ばれて振り返ると、そこには 《坂本 裕也》くんと《田中 雅人》くんがいた。 (え?何事?!) そう思って、何?と聞くと少し言いずらそうな顔をした。 「グループ、一緒に組まない?」 坂本くんは、そう言った。 ちょっと、状況が読み込めなくて、私は困惑した表情を見せる。 それを察したのか、慌てて話す。 「ぃ、いや!俺らあと3人欲しいんだけど、そっちが3人余ってるぽかったから!」 (あ、なるほど) 納得して、私は、鈴と春香を見る。 「ぁ、うん!いーよ!」 と、笑顔で言う鈴。 「私も…。全然…」 隣で少し頬を染めて、春香が言う。 (ん?頬を染めて…?) そのとき私は思った。 あ、春香は坂本くんか、田中くんが好きなのか、と。 「よかった!じゃ、俺ら先生に言ってくるから!」 そう言って2人は去っていった。 頬を染めた、春香の顔を思い出して、 これは協力してやらんとな、 と考えていられたのもこの時までだった。
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