曖昧な色香

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顔の腫れと目の具合は二週間ほどで目立たなくなった。 その頃になると、家庭内別居状態もお互いに慣れ、鉢合わせすることなく上手に暮らしていた。 お互い自室を持っていたことも良かった。 もちろん離婚を考えていたが、言い出したところでまた暴力になるかもしれない恐怖から、少し落ち着くまで時間を置く必要があると思っていた。 あの時は思考がおかしくなっていたため、殴られた恐怖はなかったが、こういうのは後からくるもので、安心のためには自室にいても鍵は必須だった。 自室に着替えと布団を持ち込み、なるべく出なくて済むようにしていたわたしだったが、テレビもないため、ひとりで過ごす時間はもっぱらパソコンが相手だった。 バーチャルな世界。 わたしは慣れないブログをはじめた。 誰にも言えないことを、ただはきだしたくて。
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