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「それ、夫婦としてどうなの?」
相変わらず旦那さんが趣味の遊びに出かけた休日の午後。
わたしは数少ない学生時代の親友、知香とランチを終え、カフェでおしゃべりに花を咲かせていた。
幼馴染みの彼女の言葉はいつもストレートだ。
「んー。エッチは苦痛だけど、数ヶ月に一度だから、ガマンする。」
「そぉじゃなくて。」
知香にとって、わたしの答えは見当違いだったらしい。
「なんかもぉ、全体的に夫婦として、違うと思うの。」
全体的に?
はて、と考えるわたしに、ため息をついた知香は、めんどくさそうに説明する。
「結婚したことない私が言うのもなんだけどね?思いやりと愛情がない、とか、夫婦でいる意味はあるの?」
黙るわたしに知香は更に追い討ちをかけた。
「夏は、幸せなの?」
ドキッとした。
「寝るところがあって、食べることができて、それだけで幸せだと……思う。」
実際そう思うようにしていた。
望みすぎると失望してしまうから。
そんな自分もイヤだったから。
「あのさ、それ、ひとりでもできるじゃん。」
そぅいえば。
わたし、もしかしたら根本的なことを間違えているのかもしれない。
そんな考えがぼんやりと頭をよぎる。
「夏さぁ。頑張ってんのわかるけど、方向間違えてない?いつもそぅじゃん。ってか、DVの時点で、旦那ナシだわ。」
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