壁ドン顎クイときたら最後は額アタックだろ

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以前までの僕なら、他人に気を使うようなことはしない だから此処まで気を抜いているのなら、待たずとも何か行動をしたと思う ラ「……疲れたな」 希「そう?てか、座りなよ」 ラ「うん」 寝転んでいた希が起き上がり、横に寄ったのを見てそのまま座り、膝に頭を落とした 情けないが、これが精一杯かもしれない 希「本当に疲れてんだね。寝てれば?」 ラ「…そうする」 希「ん」 いつもなら「いや何してんの」とか言ってくるくせに、こういう時に限って抵抗しないのはズルいよね 終いには頭を撫でられ、それでも行動に移せないのはきっと惚れた弱みだ。 負けたことなんてないし、負けることなんてあり得ない。 でも、僕は多分…この子には勝てないんだ ラ「僕は、希が好きだ」 希「知ってる」 ラ「はは!だろうな」 今はまだ、このままでもいい 信用してくれて、安心をしているのならそのままで構わない いつか好きになってくれるなら、僕はきっと希から離れないし。 そして僕は、愛しい人のぬくもりを感じながら意識を闇へと落とした ……………………………… 希「………寝たか」 規則正しく撫でて寝る、子供と同じだね いつもならこんな事しないけど、やたらネガティブなライルは珍しいからね。 希「………どうすっかな」 普段から自分に向けられた好意を流してはきたが、ここまで弱られると此方としても色々くるものがある 私はライルが好きだ。 クロコも、メアリーも、悠も、全帝やその他の仲よくしてくれる人たちも大好きだ。 正直、ゼフが好きかもしれないと思ったこともあったが、よくよく考えれば本当に好きなのか 希は希で、恋なんてしたことがない 皆が同じくらい好き、それではだめなのだろうか 希「寝顔は案外子供っぽいな」 こんな近くでライルの寝顔を見たのは初めてで、安心しきって眠るライルを可愛いと思えるのはきっと、家族としての愛 希「……困ったなぁ」 眠るライルを優しく撫でながら、静かな部屋で一人小さなため息を吐いた
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