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その頃、空き教室にて
ラ「………では、希が誰かを好きになれば魔法は解けると」
ゼ「ああ、そーゆーことだ。ライル自身、希が男でも気持ちはかわらねぇんだろ」
ラ「当然だ」
授業が終わっても帰ってこない希を探し、ゼフの元にきたライル
先ほどの話をライルに伝え、教室から出ようとしたゼフを止めた
ゼ「?なんだよ」
ラ「……希をどう思ってる」
ゼ「はぁ?…まあ、生徒であり、仕事の仲間って感じ」
ラ「…そうか」
この人にとって、その程度
僕にとっては、愛しくてたまらないんだ
絶対に負けないと拳に力を込めれば、ゼフは何を思ったのか口を開いた
ゼ「俺にとって生徒は宝だし、仲間は一生モノだ。勿論、嫌われててもな」
それを聞き、何も言えない僕の頭を軽く叩き教室から出て行ったその人に、腹の底から言葉にできない感情が湧き上がる
何もしていないのに、何だこの敗北感は
ラ「……くそッ…」
嫌いなわけじゃない
でも、心底気にくわない
ラ「…そんなに大事なら…せめて、何かしてくれ…」
宝だと、一生モノだと、口先だけで述べた彼の顔を見たライルは、気づいてしまった
彼はきっと、好きなんだろうと
本心がどうかなんて知ったこっちゃないし、本人が気づいてるかどうかもわからない
でも
ラ「あんな顔、ズルい…」
彼を見たとき、彼が希のことを話していた時、どこか寂しげな顔をした彼は何故言わないのか
ラ「…そっちがその気なら、こっちだってやってやる」
アンタが何もしないなら、こっちはこっちで動くだけだ
ラ「………よし、落ち着いた」
一旦深呼吸をし、整理をつけてから教室を出る。まずは希を探さなきゃだよね
ラ「愛してるよ、希」
だから、早く僕を好きになって
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