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ああ、物凄い真面目な顔で見られると更に返しに困るもんだ
本音を言うと、人から好意を向けられたのはライルが初めてだし、嬉しい気持ちは確かにあるよ
希「うん。その気持ちは嬉しいし、好意を持ってくれたことに感謝しきれないけど」
ラ「けど?」
希「……その、なんというか…私は恋愛云々がよくわからないけど、ライルの好きと違う好きなのはわかる」
ラ「そうか」
あ、あれ?
なんか、普通……?
いつものように笑顔を見せて、私の手からクロちゃんを奪い撫で始めた
ラ「僕はまだまだ子供な面がある。僕以外に好意を向けることも、向けられることに対しても苛立ちを覚えたりする」
希「……ほう」
あまり知りたくない事実だと感じはしたが、これもライルだから受け止めようと頷く
嫉妬心ってやつかな?
その対象が私になるなんて、こっちにくるまでは思いもしなかったけどね
ラ「言ってしまえば他の誰かが近づくのも触れるのも声をかけるのも腹立つよね」
希「……ん?」
ラ「ぶっちゃけ他に気が向いたりしても諦める気ないけどよくよく考えたらこんだけ側にいて誰よりも理解してるはずなのに他に気が向くとかあり得ないんですけど」
希「あの、ライルさん…」
ラ「つーかなんでダメなの?何が不満なの?そこんとこはっきり言ってくれないとこっちもこっちで対処できないんだけど?」
希「対処もなにもなんで切れてんの!?てか口調ぶれてるけど!!!!」
ラ「は?」
希「すみませんでした」
おい何謝ってんだ私
いやでも、めちゃくちゃ切れてますやん?さっきまで普通だったのに、めちゃくちゃ切れてますやん!?
グンと詰め寄ってきた威圧感に、思わず背を反ってしまいました。
私のチートまじでショボすぎか
ラ「………で、何がダメなわけ」
希「え?いや、ダメとかないしむしろ一緒にいて楽しいしよく理解してくれてると思いますそのままでいいと思います」
ラ「このままで好きになんのか」
希「………強いて言うなら、怖いのは嫌です」
乾いた笑いを残しつつ言えば、ライルは眉を顰めたあと溜め息を吐き、私から離れる
正直言って、ここまで切れさせた原因は私にあるので、完全下手に回ってます
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