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拳や剣を巧みに扱いながら攻撃を仕掛けてくるライルに対し、避けたり隙をついてみたりを繰り返していく
無駄に魔法を連発するより効率はいいだろうけど、全く持って使ってこないとなるとかなり動きづらいね
希「何で魔法使わんの」
ラ「………内側から魔法を発動させようにも弾かれる。外側からだと避けられるか相殺……魔装の破壊を試みるも、第一に核がない」
希「へーなるほどね」
この短時間でそれだけ考えてるなら上出来だよ、てか核がないことまで見極められるのは末恐ろしいな
何故核がないかといわれれば、以前ライルが核をついたのを見てたわけで、そうならないように工夫したからですよ
ラ「武術だけでの勝負ってのも、一理あるだろう?」
希「そうね、いいだろう」
私は魔装を解き、クロちゃんを剣に変えて突っ込みました
正直魔装いらねぇなと思った
希「かっこよかったからやりたかっただけだし、ね!!!!」
ラ「フッ!!…希らしいな」
キン!と刃の当たる音ではなく、素晴らしいくらいに鈍い音が鳴るが、やっぱりこういうのはいいね
何度も何度も叩き合い、殴る蹴るを繰り返して互いに潰し合う
ライルは強いし、本当に良きライバルになれると思います
希「だが負けない!!!!」
ラ「こっちの台詞だ!!」
振り下ろした剣を避けられ、真横に振られた剣をしゃがんで避ける。そのまま足払いをし、空いた隙に拳を振るうが紙一重で避けられた
擦りはするが当たらない
こういうもどかしさって何ともボルテージがあがるよね
ラ「………あっちは終わったな」
希「らしいね、こっちもそろそろカタつけようか」
ズタボロで膝をついているメアリーと悠に対し、頬に擦り傷がある全帝
一撃いれたなら上出来だね
私は私でライルを見て、剣を構えるライルと同じように構えを取る
「「うおおおおお!!!!」」
一瞬の静かな空気と、地を蹴り剣同士が当たる音
互いに背を向け、私はクロちゃんを元に戻して向き直った
ラ「………お見事」
こちらに背を向けたままそう言ったライルは、片膝をついてそのまま倒れた
希「勝者私!!!!」
全「いや早く治療しろ!!!!」
勝利を噛みしめる時間なんてありませんでした。
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