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リビングに戻り、ソファーに座りつつポテチを置く
「あ、ありがとー!」
気にせずに過ごそう。私は何も見えていない。
チラリと横目を向けた時、白いスーツに身を包んだパツキン兄さんが見えたが、これは夢だ。
希「夢ぐらい幸せな夢にしてくれよ」
「何言ってるの?あ、これコンソメだ。僕嫌いコンソメ」
希「じゃあ食べるなよ」
コンソメ味のポテチを齧りつつ嫌そうな顔をする男だが、それでもイケメンなのには変わりなく。
キラキラしてて目が痛い
夢ならサングラスくらいパッと出てきてくれてもいいのだが、そこまで出来すぎてはないようで目線をテレビにうつし暫く無言になる
「…美味しかった!ご馳走様!」
希「はーい。出口はあちらでーす」
終始横でバリボリと音を立てポテチを食べていた男は幸せそうな声を上げ、それに棒読みで返事を返してみる
男は素直に立ち上がり、本当に何なんだこの夢はと思いながらも内心ため息をついた刹那
「じゃあいこっか!」
はい?
男はなぜか、私を持ち上げそのまま玄関の方へと歩いていく
希「は?ちょっと?私の家はここなんですけど」
「大丈夫だよーお兄さん怖くないからねー」
希「夢なら夢らしく言うこと聞けコラ」
優しい笑顔とは不釣り合いな棒読み加減で声をかけてくる男に対し、暴れようと腕をふるった瞬間
眩しい光が満ちて私は目を強く瞑った
希「…?んん?」
「起きた?ねえ起きた?起きちゃったの?」
希「…まだ夢か。おやすみ」
「こらこらこらこら起きなさい」
重たい目を開け、周りを見わたそうとする前にどアップにイケメンが写り込む
再度目を閉じようとすれば、その前に目をこじ開けるように瞼を引っ張られたのでそれも無に終わった
とりあえず何処よここ
ぐるりと一周見渡すが、何もない真っ白な空間で…私の家をいつの間にこんな空間へ繋いだのか
「うーん。成績的には普通な筈なのに、案外馬鹿なのかなぁ」
希「なんで私の成績しってんのよ」
呆れ顔をするイケメンに間髪入れず突っ込めば、その顔は楽しそうな笑顔に変わる
てか、誰だよ
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