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ふと、
そんな不安が頭をよぎり、
いやいや。
まさか。
と、
心の中でぶんぶん首を振った。
けれど今日のヘアーショーは、
美容師さんの海斗君には大事なイベントだけれど、
事務員のあたしには豚に真珠的なものだ。
ふつうなら、
こんなところで同乗者を放っていくなんて出来ないとは思うけれど、
人間なんて切羽つまれば何をしでかすか分からない。
ああ、
本当においてけぼりにされてたらどうしよう……。
と、
不安になりつつ車を探し回っていたとき、
「おい!」
と、
背中の遠くのほうで聞き覚えのある声がした。
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