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「どこ行くんだ、テメーは!」
振り返ると、
ずらーっと車が並んだ10台くらい先の方で、
片足に重心をかけてこっちを覗いてる海斗君の体が上半分だけ見えた。
良かったぁぁああ……。
おいてけぼりじゃ無かった。
「こっち!」
苛立ち気味の海斗君の声が息切れしている。
あれ?
もしかして探してくれてた?
怒ってるなーと思ったけれど、
不安に押し潰されそうになっていた胸がゆっくりと解けていくような気分になって、
不思議とその声が心地よかった。
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