自意識過剰(二)

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咄嗟に海斗君から離れたものの、 裸のまま布団から飛び出る勇気は無く、 ベッドの隅っこで布団を抱え込む。 海斗君はと言うと、 顔を伏せた状態で体を縮めて、 ぐぐっとシーツを握っていた。 ん?  あたしが逃げられたのって、 もしかして――。 「てめぇ……」 顔を上げた海斗君の眉間に、 深いシワが出来ている。 「犯されてぇのか」 「あ、あわわわ……。 ごごご、ごめんなさいっ!」 どうやらあたしの膝は、 男の人だけにある弱点に、 見事クリーンヒットしてしまったようだ。
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