やっぱり嫌われてるとしか思えない(二)

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仕方ない。 閉店準備をしよう。 ブラインドを閉めて、 ほうきで床を掃いていると、 海斗君はカラーをしていたお客さんの遠赤外線促進機を外し、 浸透具合をチェックしてから、 お客さんをシャンプーブースに案内した。 海斗君がシャンプーしている間に、 あたしはカットブースに散らかった髪の毛を掃いておく。 いつもはみんなで片付けるから、 帰るまであっという間だけれど、 今日は片付けがなかなか終わらない。 お客さんのシャンプーが終わり、 海斗君がドライヤーを使い始めた頃、 あたしはようやく残り少なくなったシャンプーを補充したところで、 一番最後の鏡拭きを始めたのは海斗君がお客さんを見送った頃だった。
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