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「……っぶね。
手離すなよアホ!」
あれ。
落ちなかった。
海斗君があたしを受けとめたらしい。
「う゛ー……っ」
鼻をおもいっきりぶつけてしまったあたしは、
あまりの痛さに訳が分からなくて、
カットチェアに降ろされると、
体育座りになった膝の上に顔を埋めた。
「どこぶつけたんだよ。
見せてみろよ」
「は、鼻が……」
涙目のまま顔を上げて、
押さえていた手をそっと離した。
あたしの両側に手をついて覗いてくる海斗君の顔がやけに近い。
「腫れてねぇし大丈夫だろ」
“海斗君とくっつきますように”
突然、
ユウカの言葉を思い出し、
うつむいて海斗君を押し離した。
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