やっぱり嫌われてるとしか思えない(二)

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「……っぶね。 手離すなよアホ!」 あれ。 落ちなかった。 海斗君があたしを受けとめたらしい。 「う゛ー……っ」 鼻をおもいっきりぶつけてしまったあたしは、 あまりの痛さに訳が分からなくて、 カットチェアに降ろされると、 体育座りになった膝の上に顔を埋めた。 「どこぶつけたんだよ。 見せてみろよ」 「は、鼻が……」 涙目のまま顔を上げて、 押さえていた手をそっと離した。 あたしの両側に手をついて覗いてくる海斗君の顔がやけに近い。 「腫れてねぇし大丈夫だろ」 “海斗君とくっつきますように” 突然、 ユウカの言葉を思い出し、 うつむいて海斗君を押し離した。
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