やっぱり嫌われてるとしか思えない(二)

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「早く食べて♪」 絶対、酔ってる。 唇に無理やりソーセージを引っ付けてくる。 渋々ソーセージにかじりつくと、 海斗君はまた網の上のお肉をひっくり返した。 「わーっ、山ちゃんの唇やっらしいー♪ ねぇねぇ、俺のもパクってやってくんない?」 「あははっ!  蓮の方がヤラしいじゃない」 ご機嫌な蓮君に便乗して、 サオリさんが笑っている。 「山ちゃん、耳赤いよ。 かっわいいー♪」 もうヤダ……。 恥ずかしくて涙が出そうになって、 あたしはうつむいた。 「おい――」 海斗君が何か言いかけたとき、 キョウさんがジョッキグラスを強く置いた。 機嫌が悪いのか、 長い髪をかきあげたときに見えた眉間には、 しわが寄っていた。
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