やっぱり嫌われてるとしか思えない(二)

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「体調は? もう大丈夫? 元気?」 「あ……、はい……」 ニコニコしている蓮君の心が読めないまま返事をしたとき、 「おはよー」 と、今度はサオリさんがロッカールームに入ってきた。 「あ、海斗。 一昨日、何だったのぉ? 突然帰っちゃうし。 山中さんが体調悪くなったって先生が言ってたけど――」 蓮君と背中合わせになってサオリさんがロッカーを開けた。 ここにあたしが居るのに、 あたしの話を海斗君に訊くなんて、 あたしはとことんサオリさんに無視されている。 「あ、聞いてよサオリちゃん!」 ロッカーを閉めた蓮君が、 サオリさんの方を振り返り、 海斗君の肩に肘を乗せた。
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