やっぱり嫌われてるとしか思えない(二)

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「海斗。 先に行ってるぞ」 18時40分頃、 蓮君がシャンプーブースに居る海斗君に声をかけた。 海斗君はカラー剤の塗布を終えたお客さんに雑誌を手渡し、 待ち時間の合間に容器と刷毛を洗っていたところだ。 「おー、後でな」 と、手をあげた海斗君を見て、 あたしはよりによって何で海斗君が最後に残ってしまったんだろう、 とため息を吐いた。 他のスタッフはみんな、一足先に焼肉屋さんへ向かってしまったのだ。 さっきまで先生も居たけれど、 先生は言い出しっぺの自分が遅れるわけにはいかないと、 あたしに戸締まりを任せ、 海斗君にあたしを乗せてきてあげるようにと伝えてから先に店を出てしまった。
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