何もいらない。

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いつからだろう。 そう思うようになったのは。 そうだ、あの日からだ。 ───6年前─── 酒が入ると、暴力をふるう父と母 あの日は、父と母が些細なことで喧嘩していた。 まわりの物を投げ合ったり、殴り合ったり… 小学二年生の私でもさすがに止めなくては、いけないと思ったのだと思う。 「お父さん、喧嘩はダメ!」 今でも時々、あの時の勇気は凄いなと感心するときがある。 「お前は黙ってろ!!」 そう言いながら何度も殴られる。 顔、腕、脚にたくさんのアザができた。 痛くて、苦しくて、悲しくて 涙が溢れた。 でも、助けてくれる人なんていなくて辛かった。
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