第5章 禁断の父子

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「待てよ、先生」 立ち上がりかけた僕の腕を からかうように笑ってナナは乱暴に引き戻した。 「――っ!」 思いのほか 短時間で酔いが回ったのか。 「おっと」 足元がふらついて 情けなくも僕はそのままナナの胸元に崩れ落ちた。 「放せっ……」 何かがおかしい。 掴んだ僕の手首。 折れるほど握って――。 「自白剤でも混ぜなきゃ吐かないか?」 ナナは僕の耳元に囁いた。
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