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「待てよ、先生」
立ち上がりかけた僕の腕を
からかうように笑ってナナは乱暴に引き戻した。
「――っ!」
思いのほか
短時間で酔いが回ったのか。
「おっと」
足元がふらついて
情けなくも僕はそのままナナの胸元に崩れ落ちた。
「放せっ……」
何かがおかしい。
掴んだ僕の手首。
折れるほど握って――。
「自白剤でも混ぜなきゃ吐かないか?」
ナナは僕の耳元に囁いた。
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