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そのまま
黙ってりゃよかったんだ。
「たとえ何かあっても――あんたみたいな人間に話すもんか」
なのに元来負けず嫌いな一面が
こんな時に首をもたげる。
「何だと?」
腹立たしかった。
義理の父親でありながら
あいつの情夫になり下がって。
おまけに理性まで失った
獣のような男――。
「浅ましい……恥知らず!」
こんな男に由良が――いやサチが
穢されているような気がして。
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